ECSとEKSの特徴と違いを比較|製品選定のポイントまとめ

ECSとEKSの違いを比較|製品選定のポイントまとめ

ECSとEKSの特徴、違いから製品選定のポイントをまとめます。

ECS と EKS の位置づけを一言で

  • ECS(Elastic Container Service)
    AWSに最適化された「シンプル重視」のコンテナ実行基盤

  • EKS(Elastic Kubernetes Service)
    Kubernetes標準を採用した「拡張性・将来性重視」の基盤

どちらもAmazon Web Servicesが提供するマネージドサービスですが、 思想と向いている組織・プロジェクトはかなり異なります。

製品選定で重要になる主な判断軸

ECS / EKS を比較する前に、以下の観点が特に重要です。

  1. 運用の難易度・学習コスト
  2. チームのスキルセット(Kubernetes経験の有無)
  3. 将来の拡張性・他クラウドへの移行可能性
  4. コストの見通し
  5. システム規模・複雑性

この観点を踏まえて、それぞれを見ていきましょう。

ECS(Elastic Container Service)の特徴

技術的特徴

  • AWS独自のコンテナオーケストレーション
  • Kubernetesは使わない
  • 設定項目が少なく、AWSコンソール中心で管理可能
  • Fargateと組み合わせることでサーバーレス運用が可能

製品選定視点での評価

観点 評価
運用負荷 非常に低い
学習コスト 低い
拡張性 中程度
ポータビリティ 低い(AWS依存)
コスト管理 シンプル

ECS が向いているユースケース

  • 小〜中規模のWebサービス
  • スタートアップや少人数チーム
  • Kubernetes未経験の開発チーム
  • 「とにかく早く・安全に動かしたい」プロジェクト
  • 社内業務システム・バッチ処理・APIサーバー

「AWSから離れる予定が当面ない」なら、非常に合理的な選択と言えます。

EKS(Elastic Kubernetes Service)の特徴

技術的特徴

  • CNCF標準のKubernetesをフル採用
  • マネージドコントロールプレーン
  • OSSエコシステム(Helm / Argo CD / Prometheus等)が利用可能
  • マルチクラウド・オンプレとの親和性が高い

製品選定視点での評価

観点 評価
運用負荷 高め
学習コスト 高い
拡張性 非常に高い
ポータビリティ 高い
コスト管理 複雑になりがち

EKS が向いているユースケース

  • 中〜大規模サービス
  • マイクロサービス構成
  • SRE / Kubernetes経験者がいる組織
  • 将来マルチクラウドを視野に入れている
  • 高度なオートスケール・デプロイ制御が必要

「将来の自由度・標準化」を重視する場合の選択肢です。

ECS と EKS の比較まとめ

項目 ECS EKS
基盤技術 AWS独自 Kubernetes
導入のしやすさ
運用の簡単さ
拡張性
マルチクラウド ×
人材市場 AWS特化 Kubernetes標準
初期構築スピード 速い 遅め

製品選定の実務的な結論

ECS を選ぶべきケース

  • コンテナ導入がはじめて
  • 運用人員が限られている
  • AWS前提で割り切れる
  • まずは 安定稼働が最優先

EKS を選ぶべきケース

  • すでにKubernetesの知見がある
  • 長期的な拡張・組織成長を見据えている
  • クラウドロックインを避けたい
  • プラットフォームとして育てたい

まとめ

ECSとEKSの違いは「機能の多さ」ではなく、 「どこまで自分たちで制御したいか」の違いと言えるでしょう。

  • 短期・安定・省力化 → ECS
  • 長期・標準化・拡張性 → EKS

技術的な流行よりも「運用できるかどうか」を軸に判断することが、失敗しない最大のポイントです。